マザーボードの型番の調べ方 — msinfo32で出ないときの4つの確認手順

マザーボードの型番を確認する4つの方法を並べた解説記事のカード画像

2026年9月時点でも、マザーボードの型番を確かめたい場面は減っていません。BIOSの更新ファイルを探すとき、メモリを増設するとき、CPUを載せ替えるとき。どれも最初に必要なのは「いま入っている基板の正確な型番」です。

ところが実際にやってみると、手順そのものより「出てくるはずの欄が空だった」「メーカー名だけで型番が読めない」といったところで止まります。この記事では最短の確認手順を押さえたうえで、型番が表示されないときに次に何を見るかまで順番に並べました。

目次

msinfo32で「ベースボード」を見る

Windowsに標準で入っている「システム情報」(Msinfo32.exe)が、いちばん手数の少ない入口です。マイクロソフトの解説ページは、検索ボックスに msinfo32 と入力し、検索結果の「システム情報」を右クリックして管理者として実行する、という手順を案内しています。コマンドプロンプトから Msinfo32 と打つ方法も同じページに書かれています。

開いたら左側の「システムの要約」を選び、右側の一覧を下にたどります。基板に関する行はベースボードという言葉から始まり、製造元・製品・バージョンが並びます。ここの「製品」に当たる値が、いわゆる型番です。ASUSやMSIといったメーカー名が製造元に、B550-PLUSのような文字列が製品に入ります。

この画面は読むだけでなく、そのまま書き出せます。msinfo32 /report C:\baseboard.txt /categories +systemsummary のように実行すると、システムの要約だけをテキストファイルに保存できます。/nfo を使えば .nfo 形式になります。サポートに問い合わせるときや、後で見返したいときに、画面を撮るより確実です。

型番が空欄・意味のない文字列になるのはなぜか

ここが多くの人がつまずく場所です。システム情報に出ている値は、Windowsが基板を調べて判定したものではありません。ファームウェアに書き込まれている文字列をそのまま読み出しているだけです。

WMIの Win32_BaseBoard クラスの公式ドキュメントを見ると、この関係がはっきりします。Product プロパティは「メーカーが定義したベースボードの部品番号」と説明されており、Manufacturer は「その物理要素を製造した組織の名前」、SerialNumber は「メーカーが割り当てた識別番号」です。つまりどの欄も、出荷時にメーカーが書き入れた内容が出ているにすぎません。

だから、メーカーが型番を書き入れていなければ、Windows側でいくら操作しても型番は出てきません。自作機で市販のマザーボードを使っている場合はほぼ埋まっていますが、メーカー製の完成品やBTOでは、製造元の欄に販売メーカー名が入り、製品の欄が空だったり社内向けの記号だったりします。この場合は「確認方法を間違えた」のではなく、そもそも読み出す値が入っていないと考えて、次の手段に移ります。

PowerShellで4項目をまとめて出す

製造元・製品・バージョン・シリアル番号を一度に見たいなら、PowerShellのほうが速いです。次の1行で済みます。

Get-CimInstance -ClassName Win32_BaseBoard | Format-List Manufacturer,Product,Version,SerialNumber

プロパティ名は先ほどの公式ドキュメントに載っているものと同じです。空の項目があれば、それがファームウェアに書かれていない欄だとその場で判断できます。システム情報の画面を目でたどるより、抜けが見つけやすい方法です。

古い解説記事では wmic baseboard get product,Manufacturer というコマンドが紹介されていますが、これは今から覚える必要はありません。マイクロソフトはWMICユーティリティについて「Windows 10 バージョン21H1以降で非推奨」とし、WMIを扱う手段はWindows PowerShellに置き換わったと明記しています。なおこれはWMIC(コマンド)の話で、WMIそのものは影響を受けません。上のPowerShellコマンドが問題なく動くのはそのためです。

4つの確認方法の比較

方法 読み出す元 PCを開ける必要 空欄のときの有効性
システム情報 (msinfo32)ファームウェアの記載なし×
PowerShell (Win32_BaseBoard)ファームウェアの記載なし×
UEFI設定画面基板自身の表示なし
基板の印字を直接見る実物あり

「読み出す元」の区分は Microsoft の Win32_BaseBoard ドキュメントの各プロパティ定義にもとづく整理です(2026年9月時点)。

UEFI設定画面と基板の印字で確かめる

OS側で型番が読めなかったときの次の一手が、UEFI(BIOS)設定画面です。電源投入直後に特定のキーを押して入りますが、このキーはメーカーや機種によって違うため、手元の機種の説明書か起動時の画面表示で確認してください。設定画面に入ると、トップ画面や「Main」「Information」に相当するページで基板の型番とファームウェアのバージョンが表示されることが多いです。

UEFIの表示は、Windowsが読み出している文字列と同じ元データを使う場合もあります。それでも意味があるのは、Windowsが起動しない状態でも確認できる点と、ファームウェアのバージョンを同じ画面で読める点です。BIOS更新の可否を判断するときは、型番とバージョンの両方が必要になります。

それでも判別できないときは、実物を見るのが最も確実です。デスクトップなら側面パネルを外し、CPUソケットの周辺やメモリスロットの脇、拡張スロットの間に印字された文字列を探します。作業の前に電源ケーブルを抜き、内部に触れる前に金属部分に触れて静電気を逃がしてください。ノートPCは分解の難易度と保証の扱いが機種ごとに違うので、この方法は無理に選ばないでください。

あわせて読みたい:メモリ規格の調べ方 — DDR4かDDR5か、増設できる上限まで確認する5つの手順

型番がわかったら何ができるか

型番は、それ自体が目的になることは少なく、次の作業の入口として使います。代表的なのは三つです。

一つめはファームウェアの更新ファイルを探すこと。メーカーのサポートページは製品ごとにファイルを分けているので、型番が違うと入手するファイルも変わります。二つめは増設パーツの適合確認。メモリのスロット数や対応規格、ストレージの接続形式は基板ごとに決まっており、メーカーの仕様ページを型番で引くのが最短です。三つめはCPUの載せ替え可否。同じソケットでも対応する世代は基板側の対応表で決まります。

いずれも、基板の型番だけでなくチップセットの種類まで押さえておくと判断が速くなります。チップセットの見方と、その先の対応CPUの読み方は別記事にまとめています。

あわせて読みたい:メインボード チップセット確認方法 — 型番からの見分け方・対応CPU・BIOS・実機チェックまで完全ガイド

確認の順番(このまま上から試す)
  • システム情報を開き、システムの要約で「ベースボード」の行を見る
  • PowerShellで製造元・製品・バージョン・シリアル番号を並べて確認する
  • 空欄があれば、ファームウェアに値が書かれていないと判断する
  • UEFI設定画面で型番とファームウェアのバージョンを読む
  • それでも不明なら、実物の印字を確認する(静電気対策を先に)
  • わかった型番でメーカーの仕様ページを引き、次の作業に進む
ファームウェア更新の前に

ファームウェアの更新は、失敗すると起動しなくなる可能性のある作業です。型番が確定していない状態でファイルをダウンロードして適用しないでください。手順と注意点は、必ずそのメーカーの案内に従ってください。

よくある質問

「設定」の「バージョン情報」にマザーボードの型番は出ますか

その画面はデバイス名やプロセッサ、メモリ容量などをまとめたもので、基板の型番を読む場所としては作られていません。型番を見るならシステム情報(msinfo32)かPowerShellを使ってください。

製造元にPCメーカーの名前が入っているのは間違いですか

間違いではありません。Win32_BaseBoardのManufacturerは「その物理要素を製造した組織の名前」で、出荷時に書き入れられた文字列がそのまま出ます。完成品では販売メーカー名が入ることがあります。

wmicコマンドが使えません。故障でしょうか

故障ではありません。マイクロソフトはWMICユーティリティをWindows 10 バージョン21H1以降で非推奨とし、Windows PowerShellに置き換えたと説明しています。PowerShellのGet-CimInstanceを使ってください。

製品の欄が空でした。Windowsを再インストールすれば出ますか

出ません。表示されているのはファームウェアに書かれた文字列なので、OSを入れ替えても内容は変わりません。UEFI設定画面か実物の印字を確認してください。

型番を後で見返せるように残しておく方法はありますか

システム情報にはファイル出力の機能があります。msinfo32の/reportでテキストファイル、/nfoで.nfo形式に保存できます。カテゴリを絞るなら/categoriesを併用します。

まとめ

マザーボードの型番を調べる手順自体は短く、システム情報かPowerShellのどちらかで終わります。つまずくのはそこではなく、欄が埋まっていない場合に何を見るかです。Windowsが表示しているのはファームウェアに書かれた文字列だという一点を押さえておけば、空欄を見たときにOS側の操作を繰り返す遠回りを避けられます。順番は、システム情報 → PowerShell → UEFI設定画面 → 実物の印字。上から試して、わかったところで止めれば十分です。

参考にした公式情報

Microsoft Support · Description of Microsoft System Information (Msinfo32.exe) Tool

Microsoft Learn · msinfo32 コマンドリファレンス

Microsoft Learn · Win32_BaseBoard class

Microsoft Learn · WMI command-line (WMIC) utility