電源ユニットの調べ方 — 型番・容量・通電状態をケースを開けずに確認する4つの手順
2026年9月時点の情報です。「いま使っているPCの電源ユニットは何ワットなのか」を調べようとして、Windowsの設定やタスクマネージャーを探し回った方は多いはずです。結論から書くと、そこには出てきません。
電源ユニットだけは、Windowsが読み取れる情報の外にあります。ではどう調べるのか。この記事では、ケースを開けずにできる範囲で、本体の型番を取り出すところから通電状態を確かめるところまでを4つの手順に分けて整理します。
なぜWindowsでは電源ユニットが出てこないのか
Windowsに標準で入っている systeminfo というコマンドは、OSの構成、セキュリティ情報、製品ID、そしてハードウェアの情報をまとめて表示します。ただしMicrosoftがハードウェアの例として挙げているのは、メモリ、ディスク領域、ネットワークカードといった項目です。
ここに電源ユニットは含まれていません。CPUもメモリもストレージもマザーボードと情報をやり取りしているので型番が読めますが、電源ユニットは電気を供給するだけの部品で、自分が何ワットかをPCに伝えていないからです。
つまり「電源ユニットをソフトから直接調べる」という道は最初から閉じています。代わりに使うのが、本体の型番を経由するやり方です。メーカー製やBTOのPCなら、型番さえ分かれば搭載されている電源の仕様はメーカー側の資料に載っています。
手順1 — systeminfoで本体の型番を取り出す
スタートメニューで「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開き、そのまま systeminfo と打ってEnterを押します。数秒待つと、システム製造元とシステムモデルの行が表示されます。この2つがメーカー名と型番です。
出力が長くて読みにくいときは、表示形式を指定するオプションが使えます。systeminfo は Windows 11 と Windows 10、および Windows Server 2016 以降で利用できます。
| オプション | はたらき |
|---|---|
| /fo LIST | 出力を一覧形式で表示します |
| /fo TABLE | 出力を表形式で表示します |
| /fo CSV | カンマ区切りで出力します。ファイルに保存したいときに便利です |
| /nh | 列見出しを省きます。TABLE か CSV を指定したときに有効です |
| /s コンピューター名 | 別のPCの情報を取得します。省略すると手元のPCが対象です |
出典:Microsoft Learn「systeminfo」(2026年9月確認)
取り出した型番はメモしておいてください。電源だけでなく、メモリの増設上限を調べるときにも同じ型番を使います。
あわせて読みたい:マザーボードの型番の調べ方 — msinfo32で出ないときの4つの確認手順
手順2 — 型番からメーカーの仕様を開く
型番が分かったら、メーカーのサポートサイトでその型番を検索し、仕様や構成のページを開きます。メーカー製のデスクトップやBTOで購入したPCであれば、搭載されている電源ユニットの定格出力はここに書かれていることがほとんどです。
見つからないときは、購入時の納品書や構成表も確認してください。BTOは同じ型番でも注文時の構成によって電源が違うことがあるため、Web上の代表仕様より手元の書類のほうが正確です。
逆に、自作したPCや中古で譲り受けたPCには、この経路がありません。その場合はケースを開けて電源ユニット本体に貼られたラベルを見るのが確実な方法になります。ラベルの記載はメーカーによって異なるため、本記事ではケースを開けない範囲に話を絞ります。
手順3 — 通電しているかを確かめる
容量とは別に、「そもそも電源が動いているのか」を確かめたい場面もあります。電源が入らない、途中で落ちるといった症状のときです。ここはメーカーが公式の手順を公開しています。
Dellが日本語で公開しているチェックリストでは、まず電源が供給されている兆候を確認します。電源ボタンや診断用のLED、ハードドライブのアクセスランプが点灯するか。ファンが回っているか、ドライブが動いているか。何の反応もない場合は、次に電源まわりの接続を疑います。
電源タップやサージプロテクター、UPSを経由している場合は、いったんそれらを外して電源ケーブルを壁のコンセントに直接挿してテストします。またモデルによっては電圧セレクターのスイッチが付いており、地域の電源電圧に合っているかを確認します。自動で切り替わるタイプにはスイッチ自体がありません。
さらにDellのデスクトップの一部には、電源ユニットに内蔵セルフテスト(BIST)の機能があります。ボタンを押すとPSUのLEDインジケーターが状態を示し、電源ユニット側に障害があるかどうかを切り分けられます。同種の機能は他メーカーの製品にもあるので、まずは自分のPCのサポートページを確認してみてください。
- 電源ボタン・診断LED・ハードドライブのランプは点灯するか
- ファンの回転やドライブの動作音など、通電している気配はあるか
- 電源ケーブルは本体背面と、正常に動くコンセントの両側に挿さっているか
- 電源タップ・サージプロテクター・UPSを外し、壁のコンセントに直接挿して試したか
- 電圧セレクターのスイッチがある機種なら、地域の電圧に合っているか
- 内蔵セルフテスト(BIST)に対応した機種なら、そのテストを実行したか
あわせて読みたい:グラフィックカードと電源ユニット選び方 – 初心者が見落としやすい互換ポイント総まとめ
手順4 — それでも分からないときに残る道
型番から仕様が出てこず、ケースも開けられない。この状態で残る選択肢は2つです。ひとつはメーカーのサポート窓口に型番やシリアル番号を伝えて問い合わせること。出荷時の構成はメーカー側に記録が残っています。
もうひとつは、購入したショップに問い合わせることです。BTOの場合、注文時の構成は販売店が持っています。数年前の注文でも、注文番号や登録したメールアドレスから追えることが多いはずです。
ここで強くおすすめしないのが、「だいたいこのくらいだろう」と見当をつけて部品を買い足すことです。電源容量の見積もりを外すと、起動しない、高負荷時に落ちるといった切り分けの難しい症状につながります。数百円の手間を惜しむ場面ではありません。
80 PLUS認証の等級ごとの違い、必要な電源容量の計算方法、製品別の推奨ワット数については、一次情報を確認できた範囲を超えるため本記事では触れていません。パーツ構成から容量を考える話は上の関連記事のほうにまとめてあります。
よくある質問
タスクマネージャーやデバイスマネージャーで電源ユニットは見られますか。
見られません。電源ユニットは自分の仕様をPCに通知していないため、Windows側に表示する情報がありません。systeminfoがハードウェアとして扱うのもメモリ、ディスク領域、ネットワークカードなどで、電源ユニットは含まれていません。
systeminfoはWindows 11でも使えますか。
使えます。Microsoftのドキュメントでは、Windows 11、Windows 10、およびWindows Server 2016以降が対象として挙げられています。コマンドプロンプトで systeminfo と入力するだけで実行できます。
BTOで買ったPCですが、公式サイトの仕様と実機が違う気がします。
BTOは同じ型番でも注文時の構成によって電源ユニットが変わることがあります。Web上の代表仕様よりも、購入時の納品書や構成表、あるいは販売店に残っている注文内容のほうが正確です。
電源が入らないとき、最初に何をすればよいですか。
LEDが点灯するか、ファンが回るかといった通電の気配をまず確認します。反応がなければ、電源タップやサージプロテクター、UPSを外して壁のコンセントに直接挿してテストします。内蔵セルフテストに対応した機種であれば、その機能で電源ユニット側の障害かどうかを切り分けられます。
まとめ
電源ユニットは、Windowsから直接は読めない数少ないパーツです。だからこそ手順が回り道になります。systeminfoで本体の型番を取り出し、その型番でメーカーの仕様にあたる。これが最短ルートです。
そして容量が分からないまま部品を買い足さないこと。メーカーや販売店に問い合わせれば出荷時の構成は分かります。調べ切ってから買うほうが、結局は早く済みます。
参考
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の製品の動作や安全を保証するものではありません。分解や部品交換はメーカー保証の対象外になる場合がありますので、実際のご判断は上記の公式情報またはメーカーのサポート窓口にご確認ください。