グラフィックボードの確認方法 — GPUが2つ表示される理由と使う側を指定する手順

デバイスマネージャーとdxdiagでグラフィックボードを確認する手順の図

パソコンに搭載されているグラフィックボードを確認しようとして、ディスプレイアダプターが2つ並んでいるのを見て戸惑った方は多いと思います。2026年9月時点の Windows では、これは故障でも二重表示でもありません。

ノートパソコンや一部のデスクトップには、CPU側に組み込まれた統合GPUと、あとから搭載されたディスクリートGPUの両方が入っています。つまり「どちらが搭載されているか」ではなく「どちらが今使われているか」を確認しないと意味がありません。この記事では Microsoft の公式ページに書かれている手順だけを使って、搭載GPUの確認から実際に使う側の指定までを順番に整理します。

目次

GPUが2つ表示されるのは異常ではない

Microsoft はGPUを大きく2種類に分けて説明しています。ひとつが統合GPUで、公式ページには「マザーボードに組み込まれています」と書かれています。もうひとつがディスクリートGPUです。

性能と消費電力の関係も公式に明記されています。統合GPUは「ディスクリート GPU ほど強力ではありませんが、電力効率が高くなります」とされ、価格についても「通常、ディスクリート GPU よりも安価です」と説明されています。逆にディスクリートGPUは「統合 GPU よりも大きく、より多くの電力を使用します」とされています。

そしてノートパソコンについては、ディスクリートGPUを統合GPUと併用できると書かれています。ディスプレイアダプターが2つ並ぶのはこのためです。軽い作業では電力効率の高い統合GPUが働き、負荷の高い処理でディスクリートGPUに切り替わる、という前提で設計されています。

項目 統合GPU ディスクリートGPU
搭載のされ方マザーボードに組み込まれているデスクトップではマザーボードに接続する個別のカード
性能ディスクリートGPUほど強力ではない負荷の高い編集・デザイン・ゲーム向け
電力電力効率が高いより多くの電力を使用する
価格通常はより安価—

出典: Microsoft サポート「グラフィックス処理ユニット (GPU) について」(2026年9月時点)

デバイスマネージャーで搭載GPUを確認する

いちばん確実なのはデバイスマネージャーです。Microsoft のサポートページには、次の手順がそのまま書かれています。

まず Windows ロゴのメニューを右クリックして「デバイス マネージャー」を選びます。次に「ディスプレイ アダプター」の横にある矢印を選択して展開します。ここに表示された項目が、この Windows が認識しているディスプレイアダプターのすべてです。

2つ並んでいれば、統合GPUとディスクリートGPUの両方が認識されているということです。1つしかない場合は、そもそも搭載されていないか、後述のようにドライバーが入っていないかのどちらかになります。名称に具体的な型番が入っていれば、メーカー提供のドライバーが正しく当たっている状態です。

あわせて読みたい:マザーボードの型番の調べ方 — msinfo32で出ないときの4つの確認手順

「Microsoft 基本ディスプレイ アダプター」と出たときの意味

展開した先に型番ではなく「Microsoft 基本ディスプレイ アダプター」と出ることがあります。これは壊れているわけではありません。Microsoft の説明では、これは「基本的なディスプレイとグラフィックス機能を提供する Windows に組み込まれている汎用ディスプレイ アダプター ドライバー」です。

使われる条件も明記されています。製造元が提供するディスプレイアダプター専用のドライバーが使用できない、またはインストールされていない場合に、この汎用ドライバーが使われます。つまりこの表示が出ている間は、画面は映っていてもグラフィックボードの型番も本来の性能も分かりません。

対処としてMicrosoftが挙げている順番は、Windows Update からの自動更新、それで入らなければ製造元のWebサイトから手動でインストール、という流れです。どちらでもドライバーが見つからない場合は、汎用ドライバーのまま使うか、対応ドライバーのあるビデオカードへ買い替える、という選択肢まで公式に書かれています。

dxdiagで確認する

もうひとつの経路が DirectX 診断ツール、いわゆる dxdiag です。起動方法は Microsoft のページに次のように書かれています。ツールバーの検索ボックスに「dxdiag」と入力し、結果の一覧から「dxdiag」を選びます。

初めて起動したときには、ドライバーにデジタル署名があることを確認するかどうかをたずねるメッセージが表示されます。これは想定された動作なので、そのまま進めて問題ありません。

起動すると「システム」タブが開きます。Microsoft が案内しているのは、この「システム情報」で DirectX のバージョンをチェックするという使い方です。DirectXのバージョンはゲームやクリエイティブ系ソフトの動作要件に直結するため、グラフィックボードの型番だけを見ていても分からない情報がここで補えます。

デバイスマネージャーが「何が付いているか」を見る道具だとすれば、dxdiag は「その環境がどのDirectXに対応しているか」を見る道具です。両方を見ておくと、動作要件を満たしていない原因がハードウェア側にあるのかソフトウェア側にあるのかを切り分けやすくなります。

確認の次 — アプリごとに使うGPUを指定する

ここが冒頭の疑問に対する答えです。GPUが2つあることを確認できても、特定のアプリがどちらを使うかは自動判断に任されています。Windows 11 にはこれを明示的に指定する設定があります。

パスは「System > Display > Graphics」、日本語表示では設定からシステム、ディスプレイと進んで「グラフィックス」を選びます。「既定の設定」には「ウィンドウゲームの最適化」のスイッチがあり、その下の「アプリのカスタム オプション」で対象のアプリやゲームを選びます。

アプリを選んだら「オプション」を開きます。「グラフィックス環境設定」として用意されている選択肢は3つで、「Windows で決定できるようにする (省電力)」「省電力」「高パフォーマンス」です。最後に「保存」を選べば設定が反映されます。同じ画面には「ウィンドウゲームの最適化」のスイッチと「自動 HDR を使用しない」のチェックボックスも並んでいます。

確認だけで終わらせずにここまで進めておくと、「ディスクリートGPUが付いているのに動作が重い」という状態を切り分けられます。高パフォーマンスを指定しても改善しないなら、原因はGPUの割り当てではなく別のところにあると判断できます。

確認したいこと 見る場所
何が搭載されているかデバイス マネージャー > ディスプレイ アダプター
DirectXのバージョンdxdiag > システム タブ > システム情報
アプリごとに使うGPU設定 > システム > ディスプレイ > グラフィックス
ドライバーの更新設定 > Windows Update > 詳細オプション > オプションの更新プログラム

出典: Microsoft サポート各ページの記載より作成 (2026年9月時点)

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型番が出ないときはドライバーを先に更新する

型番が表示されない、あるいは選択肢に統合GPUしか出てこないという場合、多くはドライバーが当たっていないことが原因です。Microsoft はドライバーの入手経路として、Windows Update 経由の「オプションの更新プログラム」を案内しています。

手順は次の通りです。スタートから設定を開き、「Windows Update」の「詳細オプション」へ進みます。ここで「他の Microsoft 製品の更新プログラムを受け取る」がオンになっていることを確認します。

次に「その他のオプション」の中から「オプションの更新プログラム」を選びます。ドライバーの更新プログラムが一覧に出ていれば、インストールしたいドライバーを選んで「ダウンロードしてインストール」を選びます。ここに何も出てこない場合は、製造元のサイトから手動で入れる経路に切り替えます。

ドライバーを入れ直したあとは、もう一度デバイスマネージャーを開いて表示名が型番に変わっているかを確認してください。「Microsoft 基本ディスプレイ アダプター」のままなら、そのGPU向けのドライバーがまだ見つかっていないということです。

確認の順番
  • デバイス マネージャー > ディスプレイ アダプターを展開して、いくつ表示されるか数える
  • 型番ではなく「Microsoft 基本ディスプレイ アダプター」なら、先にドライバーを入れる
  • dxdiag の「システム」タブで DirectX のバージョンを確認する
  • 設定 > システム > ディスプレイ > グラフィックスで、重いアプリに「高パフォーマンス」を割り当てる
  • 割り当てても変わらないなら、原因はGPUの選択ではないと判断する

よくある質問

ディスプレイ アダプターが2つ表示されるのは故障ですか。

故障ではありません。Microsoft はノートパソコンについて、ディスクリートGPUを統合GPUと併用できると説明しています。統合GPUはマザーボードに組み込まれており、ディスクリートGPUはそれとは別に搭載されます。

「Microsoft 基本ディスプレイ アダプター」と表示されます。

これは Windows に組み込まれている汎用ディスプレイ アダプター ドライバーです。製造元が提供する専用ドライバーが使用できない、またはインストールされていない場合に使われます。

dxdiag はどうやって起動しますか。

ツールバーの検索ボックスに「dxdiag」と入力し、結果の一覧から「dxdiag」を選びます。初回はドライバーのデジタル署名を確認するかどうかをたずねるメッセージが表示されます。

アプリごとに使うGPUを指定できますか。

できます。設定からシステム、ディスプレイ、グラフィックスと進み、「アプリのカスタム オプション」でアプリを選んで「オプション」を開きます。「グラフィックス環境設定」で「Windows で決定できるようにする (省電力)」「省電力」「高パフォーマンス」から選び、「保存」を選択します。

ドライバーはどこから入れるのが確実ですか。

Microsoft は Windows Update 経由を案内しています。設定の Windows Update から「詳細オプション」を開き、「その他のオプション」の「オプションの更新プログラム」にドライバーが出ていれば、選んで「ダウンロードしてインストール」を選択します。

まとめ

グラフィックボードの確認は、型番を見て終わりにすると半分しか終わりません。統合GPUとディスクリートGPUが同居している環境では、確認するべきなのは「何が付いているか」と「どちらが使われるか」の2つです。

デバイスマネージャーで搭載状況を見て、型番が出なければドライバーを入れ直す。dxdiag で DirectX のバージョンを押さえる。そのうえで設定のグラフィックスで重いアプリに高パフォーマンスを割り当てる。この順番で進めれば、確認と対処が一度でつながります。

※本記事は2026年9月時点の Microsoft 公式サポートページの記載に基づく一般的な情報提供です。画面の項目名や手順は Windows のバージョンによって変わる場合がありますので、実際の操作は下記の公式情報でご確認ください。

Microsoft サポート・グラフィックス処理ユニット (GPU) について

Microsoft サポート・Windows の Microsoft Basic ディスプレイ アダプター

Microsoft サポート・Windows 11 でのウィンドウ ゲームの最適化